日本伸銅協会 吉田会長の就任ご挨拶

日本伸銅協会 会長  吉田 政雄
古河電気工業株式会社 代表取締役会長

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このたび、3月度理事会の承認を得て本年新たに設置されました、「会長候補者選定委員会」からご推薦を頂き、本定時総会において理事並びに会員の皆様方からのご推挙を頂きまして、昨年度に引き続き、日本伸銅協会の会長をお引き受けすることとなりました。

また、池田、西澤、釣谷の3副会長も、私と同じく、本年度も副会長をお引き受けいただくこととなりました。

3副会長をはじめ、会員の皆様方のご協力を得ながら、本年度もこの重責を果たしていきたいと存じますので、宜しくお願い申し上げます。
本日は、総会にご出席の皆様のみならず、平成25年度の協会表彰を受けられました皆様を始めとして、数多くの方々にご出席いただきまして、厚く御礼を申し上げます。
経済産業省からも谷大臣官房審議官様をはじめ、及川非鉄金属課長様や御担当部署の皆様方にもご臨席を賜りまして、心より御礼を申し上げます。
さて、平成25年度における我が国経済ですが、年初からの円高是正を背景に、政府、日銀による財政、金融政策が行われる中、公共投資の増加、また企業の収益回復による雇用・所得環境が改善されたこともあり、景気は緩やかに改善しました。更に、消費税率改定前の駆け込み需要の効果もあり、個人消費が増加したこともこれ等を支えた結果と言われております。

世界経済に転じますと、米国では景気回復基調が継続しており、中国、インドをはじめとするアジアの新興国も、総じて緩やかな成長を辿りつつあると見受けられます。ただ、円安基調にも拘らず、生産拠点の国内回帰を本格化させる動きが少なく、輸出の伸び悩みと貿易収支の赤字定着が懸念されるところであります。

そのような環境の下、私ども伸銅業につきましては、平成25年度は、全体として、前年度に比べ持ち直しが感じられる一年でありました。

「板条製品」に関しましては、半導体の回復とともに自動車が拡大をみせるなど、需要は堅調に推移してまいりました。

「黄銅棒」につきましては、住宅需要は底堅く伸びが見られ、夏場以降、「水洗金具」、「ガス機器」、「バルブ」等の分野での動きが活発になりました。

また「銅管」につきましても、昨年夏の猛暑の影響もあり、25年暦年での国内のルームエアコンの出荷台数は、初めて900万台を超えるなど、アウトインや輸入銅管の定着が進む中でも、秋以降の不需要期に銅管の国内需要は安定して推移しました。

こうしたことから、平成25年度の伸銅品生産量は、3年振りに前年度比プラスとなり、前年度の76万トンを5%上回る80万トンに近い水準にまで回復しました。

平成26年度につきましては、新興国経済への先行きに多少の不透明さは残るものの、欧米経済を中心に緩やかな回復基調にあるものと期待されます。
また、我が国経済も、消費税率改定直後の反動の影響が懸念され ておりますが、今のところ想定の範囲内として、7-9月期以降は緩やかな回復軌道に戻すとの見方が一般的なようであります。

このような状況を反映して、伸銅品需要につきましても、消費税率引き上げ後の需要動向に不透明感はありますが、「板条製品」は、自動車向けを始めとした、堅調な海外需要が下支えとなり、また、年後半には国内景気の好転も予測されることから、緩やかな拡大に向かうことが期待されています。
「黄銅棒」につきましては、消費税率引き上げ後の反動減の影響想定されるものの、底堅い住宅並びにリフォーム需要等により落ち込みの影響は少ないものと思われます。
また「銅管」につきましては、需要期に入ったエアコン生産が順調に行われていることから、今夏に期待したいと思います。

こうしたことから、本年度(平成26年度)の伸銅品需要は、昨年度を微増する81万トンと見通しておりますが、着実な達成が期待されるところであります。

このように日本の伸銅品需要は短期的には回復基調にあるものの、リーマンショック以前の年100万トン水準への回帰の道筋は厳しく、伸銅業を取り巻く構造的な要因に対処する必要があります。
そのためには、本年度のアクションプランは、昨年度に続き、「需要分野の調査」「技術課題の追究」「リサイクルの課題」に取り組み、将来の伸銅品需要拡大の可能性を追求してまいります。
「需要分野の調査」は、将来に期待できる、「次世代自動車」、「スマートグリッド」等の「先端分野」、「新興国」その他について、更なる調査等を通じ、会員の皆様に情報提供を進めてまいります。

「技術課題の追究」につきましては、我が国における、伸銅製品の競争力の強化、及び 新規需要の開拓を目的として、共同で実施すべき技術課題等の抽出とともに、会員各社の実施希望テーマを踏まえ、伸銅品の産学共同による技術プロジェクトを仕上げたいと考えております。このあたりにつきましては、本日ご臨席をいただいております、経済産業省の皆様方のご指導を頂きながら、進めてまいりたいと考えております。

こうした技術課題を進めるに当たり、産学の連携は重要な課題であり、そのためにも「日本銅学会」への研究助成制度等の支援を、継続して進めたいと思います。

また伸銅品の生産活動に当たり、「安全はすべてに優先する」ことを再認識し、ハード面の改善や老朽化設備の更新を含めて、災害撲滅の原点に立ち返った活動を粘り強く続けてまいりたいと存じます。

こうしてみますと、我々伸銅業には中期的な課題も多く、それらに一つ一つ取り組んでゆかねばなりません。
そのためにも、会員相互の信頼関係を大切にしつつ、また、所管官庁であります経済産業省のご指導、ご支援を賜りながら、また学会や関係業界との連携等も図り、これらの課題に全力で取組んでまいりたいと存じます。

皆様方の絶大なるご支援とご協力をお願い申し上げます。