日本伸銅協会 吉田会長の就任ご挨拶

日本伸銅協会 会長  吉田 政雄
古河電気工業株式会社 代表取締役会長

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このたび、定時総会で会員の皆様方からのご推挙を頂きまして、髙橋会長の後を受け日本伸銅協会の会長をお引き受けすることになりました。池田、西澤、釣谷の3副会長をはじめ、会員の皆様方のご協力を得ながら、この重責を果たしていきたいと存じますので、宜しくお願い申し上げます。

ご退任されました、髙橋前会長と安永、大木、清峰の3前副会長には、厳しい需要環境の下で伸銅協会の課題に取り組んで頂きまして、また伸銅業界の発展のためにご尽力を賜りましたことに対し、会員一同を代表致しまして厚く御礼申し上げます。
私ども伸銅業にとりましては、平成24年度は、国内外の厳しい経済環境の影響を被った一年でございました。特に年後半の超円高、欧州の債務危機の深刻化、中国経済の停滞、新興国の経済成長の鈍化、それに加えて日中関係の悪化が拍車をかけた事から、大きく伸銅品生産に影響致しました。特に板条製品については、低迷を続ける半導体・電子機器分野に加え、自動車向けも秋半ばから落ち込みを見せております。黄銅棒もその回復には力強さに欠ける動きが続きました。また銅管は、製造メーカーの1社が国内生産から撤退された事の影響を大きく受けました。こうしたことから、伸銅品の年度の生産も76万トンと前年度から5万トンの減少となり、厳しい年でございました。

平成25年度につきましては、新政権による各種の政策効果に加え、世界経済の緩やかな持ち直しが期待されることから、我が国経済も次第に景気回復へ向かうことが期待されています。間もなく公表予定の政府の成長戦略が期待されるところであります。

このような状況を反映して、伸銅品需要につきましては、板条製品は長らく低迷が続いていた半導体向けに回復の兆しが見えております。また自動車向けも再び増加に向かうことが期待されています。黄銅棒につきましては、新規住宅着工の順調な伸びが回復基調を後押しするものと思われます。また銅管につきましては、エアコンのアウトインの増量傾向が続いていることから、高級品に特化した需要推移になることが見込まれます。こうしたことから、今年度の伸銅品需要は昨年度の落ち込みから回復を見せ80万トン程度と見通しておりますが、最近の市場動向を踏まえますと、更なる上ぶれが期待されるところであります。

日本伸銅協会の今年度の事業計画と致しましては、近年の伸銅品需要の縮小傾向からリーマンショック以前の年100万トン水準への回帰の道筋を立て、それを着実に実施に移していくことであります。

前年度に実施致しました伸銅品需要分析結果に基づき本日取り纏められた「伸銅品製造産業戦略アクションプランの見直し」に従い、新しく取り組むべき需要分野や新興国の潜在需要に加え、リサイクル原料の使用拡大や技術開発の課題等に着手してまいりたいと考えます。

伸銅品に関する新たな需要開拓を進めるため、基礎となる産学の連携による研究開発を活発化し、今後の伸銅業の発展に向けた取り組みを強化していくことも重要な課題であります。「日本銅学会」への研究助成制度等の一層の充実並びに産学共同研究の推進といった活動を進めてまいります。

なお、5月13日からは、世界銅加工業者協議会(IWCC)のJoint Meetingが東京で開催されました。世界の銅関係者が抱える共通の課題について活発な意見交換が行われ、非常に有意義な機会でございました。今後もこうした国際的な交流を通じて、我が国伸銅業界としての声を反映させてまいりたいと考えます。

こうしてみますと、我々伸銅業には中期的な課題は多く、それらに一つ一つ取り組んでゆかねばなりません。そのためには、私は会員相互の信頼関係を大切にしつつ、また、所管官庁であります経済産業省のご指導、ご支援を賜りながら、また学会や関係業界との連携等も図り、これらの課題に全力で取組んでまいりたいと存じます。

皆様方の絶大なるご支援とご協力をお願い致します。